新たなブランディング戦略 | AR(拡張現実)広告の集客力
インターネット初のバナー広告は、1994年にWiredに掲載されたAT&T社の広告で、クリックスルー率は44%にも上りました。しかしバナー広告が目新しくなくなった現在では、クリックスルー率は約0.05%まで落ちています。
大幅に低下してしまったユーザーの関心を取り戻すカギは、AR(拡張現実)にあるかも知れません。BlipparやOathといった会社がARを使ってデジタル広告の新たな未来を拓こうと取り組んでいます。
Blippar社のアジア太平洋地域コマーシャルディレクターのChris Bell氏はブログ記事で、これらの広告の機会は、ARの双方向性、個人向けカスタマイズ、リアリスティックなディスプレイメディアの利点を発揮できる場であると述べています。
Blipparは、2017年5月にAR広告ユニットを展開しました。スマートフォンやデスクトップカメラを使用して、バナー広告を通じたインタラクティブで関連性の高いAR体験を提供しています。それ以来、AR広告を導入したブランドのエンゲージメント率は30%上昇し、滞留時間は11倍以上に増加しているとBell氏は述べています。 Blipparは、Jaguar Land RoverとHondaと協力して、ユーザーに新しい車の内部を見せたり、ファンタジーな休日の体験を提供したりしています。
ARを通してデジタル広告を作り上げようとしているのはBlipparだけではありません。以前はAOLとYahooとして知られていたOathは、独自のAR広告フォーマットでYahoo Mailアプリでメールバナー広告を盛り上げようと取り組んでいます。
Oathが試作したARユニットはPottery BarnとThe Home Depotに使用され、家具や祝日のデコレーションが家庭内でどのように見えるかを消費者が確認することができました。その結果、消費者は平均約2分間AR広告を使用しました。The Home Depotの広告は12.5%のクリックスルー率を得ました。
AR広告の利点は複数の情報を同時に提供することでユーザーに興味喚起し、広告をクリックし製品についてよりよく知ってもらうことができる点です。静止画や動画による既存の広告の概念を超えた集客力が秘められているかも知れません。
References:
http://www.adweek.com/digital/can-augmented-reality-breathe-new-life-into-banner-ads/