映像圧縮形式について | All-IとIPB の違い
DIGIC 5+映像エンジンを搭載した中〜上位機種(Canon 5D MK III, IV、70D、6D、1DX、etc)をには、一つの解像度設定の中に「All-I」と「IPB」のオプションがあります。それらが何を表し、どう機能するかを理解して、あなたのプロダクションに最適な使い方を探しましょう。
デジタル圧縮
All-IとIPBは異なる圧縮方式を表します。 Canon 5Dの場合、両圧縮形式も共にH.264の.MOVで出力されるため、異なるファイルフォーマットに悩まされることはありません。ただしこの2つのオプションは、キーフレーム、画質、ファイルサイズ、および連続録音時間に関して相違します。
All-I圧縮
All-Iはハイエンドカメラが最高画質を実現できるように設計されています。動画圧縮の方法は、フレームをキーフレームとしてキャプチャし、イントラフレーム方式を使用して圧縮します。結果としてAll-I圧縮は以下の3つの特徴を持ちます。
1. 個々のフレームはIPB圧縮よりもはるかに高品質です。
2. 動画自体のファイルサイズはIPB圧縮の約3倍です。
3. 連続撮影時間はIPB圧縮に比べて制限されます。
したがって、よりアーティスティックで短いカットを撮影する場合や、ポスプロで多くの加工を施す余地が欲しい場合は、最高画質での収録ができるAll-I圧縮が最適なオプションになります。ただしカードやドライブに大きなスペースが必要です。しかし長時間収録する必要がある場合は、IPB圧縮の方が適しているかもしれません。
IPB圧縮
IPB圧縮はAll-I圧縮よりも柔軟性があります。圧縮力と速度に優れますが、個々のフレームの画質が損なわれます。よって、下記2、3のような利点があります。
1. 個々のフレームはAll-I圧縮よりも低品質です。
2. 動画ファイルは非常に小さく、All-I圧縮の約1/3です。
3. All-I圧縮よりも長時間の連続撮影が可能です。
したがって、長時間の撮影内容を一つのファイルに収めたい時は、IPB圧縮を使用する必要があります。ファイルも小さくなりディスクスペースの節約に繋がりますが、若干の画質の劣化やカラコレの自由度の低さといった欠点もあります。
References:
https://www.premiumbeat.com/blog/differences-all-i-ipb-compression/
Thumbnail Photo by Jakob Owens on Unsplash