映像の構図作りを成功に導く必須3要素
「画面に映る物全てが意味を持つ」
ミザンセーヌ(Mise-en-scène)は、「ステージに配置する事」というフランス語のフレーズで、映画の分析や論評で多く用いられます。要約すると【映画の見た目、つまり画面に映る全ての物とそれらの配置】という意味になります。
環境、装飾、照明、空間の奥行き、衣装・メイクアップ等、映像は様々な要素から成り立ちます。それらがどう使われて画面を構成しているか、それがミザンセーヌです。異なるパーツの組み合わによってキャラクターを表現したり、映像全体のムードを作り出したりするので、それらのパーツの使い方を理解する事は映像制作の成功に欠かせません。ミザンセーヌの中でも、最も重要な3つの要素を紹介します。
1. 環境
環境、つまり、場面が展開される物理的な空間は登場人物について多くの事を表します。例えば寝室で展開されるシーンは、その人の性格やライフスタイルについて明かします。部屋が散らかっているか、整理整頓されているか、また、壁にはロックバンドのポスターが貼られているか等、ビジュアルのディテールによって物語を紡ぐ事が出来ます。
『ブラック・スワン』の主人公・ニナの部屋はピンクや白を基調としていて、ぬいぐるみがたくさん置かれているため、ニナの未熟な側面を露わにしています。
2. 装飾
環境をどう装飾するか、特に色の使い方は作品の奥深い意味を示唆します。ジャン=ピエール・ジュネの『アメリ』では、明るく陽気な原色が主人公の前向きな性格を表します。また、親密で希望に満ちた印象を創り出す装飾は、視聴者に和やかな雰囲気をもたらします。
3. 照明
照明設計を大きく分けると、ハイ・キーとロー・キーの2種類があります。ハイ・キー・ライティングとは、明暗のコントラストが弱い照明の事で、コメディーやミュージカルで多用されます。
反対にロー・キー・ライティングとはコントラストが強く、影に満ちた照明設計の事です。ホラーやスリラーで多く使われます。影が多く強いほどドラマチックな見た目になり、視聴者に緊張感を伝えます。
終わりに
以上の要素を含め、ミザンセーヌは物語をビジュアルで表現する手段です。画面に映る物全てが意味を持ちます。観る側も作る側も、ミザンセーヌを意識する事で映像の意味が深まるでしょう。
References:
https://www.videomaker.com/article/c02/18234-why-mise-en-scene-is-essential-to-achieving-your-filmmaking-goals
https://vigilantcitizen.com/moviesandtv/the-occult-interpretation-of-the-movie-black-swan-and-its-message-on-show-business/
https://undergradjourney.wordpress.com/2015/04/12/amelie-cinematography/
http://www.offthegridnews.com/self-defense/4-sneaky-and-shrewd-james-bond-like-weapons/