“iPhoneが映像制作の未来を変える” スティーブン・ソダーバーグ

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written by Parade Shimizu

最近のスマートフォンで撮影できる映像の画質は大変優れており、全編iPhoneで撮影された映画「タンジェリン」(2015年)は、多くの映画祭で賞を獲得し大きな話題になりました。

「オーシャンズ12」や「サイド・エフェクト」で有名なスティーブン・ソダーバーグは、まだフィルムが主流だった時代からデジタルカメラを長編映画の撮影に用いるなど、新しい技術を積極的に取り入れる監督です。彼の「アンセイン」(2018年)は全編iPhone 7 Plusで撮影され、ソダーバーグは「スマホで映画を撮る事はやがて常識になる」とまで言っています。

なぜスマートフォンが映像制作のスタンダードになり得るほど優れているのか、inverse.comに掲載されたソダーバーグの

「アンセイン」の撮影にはiPhoneに標準搭載されているレンズも使用されましたが、加えてMoment Lensesの18mm、60mm、フィッシュアイレンズが使用されました。 また、撮影中の映像を別のiPhoneで確認する事を可能にするFiLMiC Remoteアプリが使用され、iPhoneを壁に面して置いたり床に置いたりして撮影する際に役立ちました。

撮影に使用された全ての機材はカバン一つに収納でき、撮影のペースをとても速くしました。出演者のジョシュア・レナードは、「映画作りでうんざりするのは、演技をしたい衝動があるのに本番に入るまでとても時間がかかる事です。でも技術が発展する事で準備の時間を縮め、勢いがある演技を撮影できるのは素晴らしいと思います」と話します。

スマートフォンでの撮影が全てのプロジェクトに適する訳ではありませんが、キャラクターの心理状況を皮膚で感じそうな程役者の近くでも撮影された「アンセイン」のショットは、通常の大きなカメラでは撮影が難しい独特なショットです。

iPhoneは決して安価ではありませんが、業界スタンダードのカメラよりは遥かに手に入れやすく、「アンセイン」の成功は映像制作の”民主化”を更に後押しするでしょう。

References:
https://www.inverse.com/article/42571-unsane-steven-soderbergh-shot-with-iphone-7-plus
https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=R2TzkL1UjrM
http://www.imdb.com/title/tt7153766
https://www.cultofmac.com/536851/unsane-iphone-movie-removes-filmmaking-barriers/

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