映像撮影の基本 |「露出トライアングル」
近年のカメラには優れたオートモードが搭載されており、カメラオペレーターが機材のセッティングに不慣れでも容易に撮影が出来てしまいます。しかし、撮影環境や最終的に目指す映像の見た目によってカメラの設定を操る知識を持つ事は、制作物のクオリティを上げる第一のステップです。
露出トライアングル
状況に応じて正しい明るさで撮影するためには、絞り、ISO、シャッタースピードの3要素が主に
関連してきます。これらの設定を変更する事は画面の明るさだけではなく、別の側面で画像の見た目に変化をもたらすので、どんな影響があるのかを知っておく必要があります。
絞り
絞りはレンズの虹彩の事で、絞り値はF/1.4、F/2、F/2.8・・・のように表されます。絞りが映像に与える影響は大きく2通りです。
・カメラのセンサーに届く光の量を調節する。絞りの開きが大きいほど多くの光を取り入れるので明るい映像になります。
・被写界深度(ピントを合わせた部分の前後の、ピントが合っているように見える範囲)を増減させる。絞りの開きが大きいほど被写界深度は浅く、開きが小さいほど深くなります。
ISO
ISOとは、カメラセンサーの光に対する感度の事です。低いISOは暗い画像、高いISOは明るい画像を作り出します。但し、ISOを上げ過ぎると画像上にノイズが発生し、画質が劣化してしまいます。更に、高いISOはダイナミックレンジ(最も明るい部分と暗い部分の幅)の低下にも繋がるので、出来るだけ低いISOで撮影する事が理想的です。
シャッタースピード
シャッタースピードは、シャッターが開いている時間の事です。シャッタースピードが速いとセンサーに届く光が少なくなり、撮影画像は暗く、遅いと画像は明るくなります。
加えて、シャッタースピードはモーションブラー(動いている被写体のぶれ)の量もコントロールします。速いシャッタースピードはモーションブラーが少なく、遅いシャッタースピードはモーションブラーが多くなります。一般的に、使用するフレームレートの倍の数値のシャッタースピードは自然に見えるモーションブラーを生み出すと言われています。例えば、毎秒24フレームでの撮影ならシャッタースピードは1/50秒、毎秒30フレームでの撮影ならシャッタースピードは1/60秒となります。
以上が、映像や画像の明るさを左右するセッティングです。これらの基本を習得し、撮影環境に即した適切な露出設定を得、理想の最終成果物にマッチしたクオリティで撮影しましょう。
References:
https://nofilmschool.com/2018/03/what-exposure-triangle-and-how-does-each-element-affect-your-images
https://www.slrlounge.com/workshop/exposure-triangle/