映像とコンテの比較 – Apple HomePod篇

Movie

written by Yuki Hosoguchi

Apple HomePodのWebCM

Apple HomePodのWebCMが話題となっています。
有名ディレクターのスパイク・ジョーンズが監督し、公開から数日で
視聴回数が600万回を超える人気の動画となっています(2018年3月15日現在)。

さて、このWebCMのコンテ(ストーリーボード)と実際の映像を比較した動画が、
Storyboards Inc.のFacebookページで観ることができます。

Apple HomePod feat FKA Twigs
https://www.facebook.com/storyboardsinc/videos/10155529846728892/
こちらの比較動画をもとに、コンテからどのような過程を経て完成映像になっているのかをチェックしてみました。

映像とコンテの比較

冒頭(00:40〜)

冒頭においてコンテと映像はかなり異なっています。コンテでは正面から描かれているカットが完成映像では真横になっていたります。また、室内の背景美術について、ソファや窓、机などの大まかなレイアウトは変わっていませんが、小道具のディテールなどが完成映像では細かく作り込まれています。このことから、冒頭部分はコンテでは部屋の大まかな構造や必要なカットの構成を決めておき、実際の撮影ではかなり変更が加わっていることがわかります。
 

ダンスシーン その1(1:20〜)
しかし、女性がダンスを始めると、画面のレイアウトやカメラの位置、背景美術の動きなどがコンテに極めて忠実に作られています。このダンスシーンは壁が伸びていく表現や女性の動きを厳密に計算する必要があったため、アレンジが加えられなかったと推察できます。
 

ダンスシーン その2(1:40〜)
女性が壁に向かってダンスをすると、壁が押し返してくるシーンです。おそらく細かい動きのニュアンスを共有するために、一つ一つの動作がコンテで指定されています。 
 

トンネルに入るシーン(2:55〜)
このトンネルのような通路に入ってからは、役者の動きやカメラワークは細かく描かれていません。しかし、手前が暗く奥の部屋側が明るくなっているという空間の雰囲気はしっかりと描き込まれており、完成映像にも反映されています。

 

いかがでしたでしょうか。
ストーリーボード・アーティストはJIYE CHOI
スポーツやダンスなど動きの激しいコンテが並んでおり、得意分野が伺えます。
今後も、話題の作品があればFILMARTで取り上げてみたいと思います。

2019年デザイントレンド by Shutterstock
拡大し続ける動画マーケティングの役割|統計
動画広告統計 – 継続するモバイル動画視聴の増加